2023年03月02日(木)
なぜ一度直した歯がむし歯になる⁈
こんにちは、歯科衛生士の小山です。
今回は二次カリエスについて、書いていきたいと思います。
二次カリエスというのは、一度治療した歯の詰め物や被せ物の中で新たにむし歯が発生する事です。
実際、成人以降はエナメル質の結晶が強く完成してる事が多く、基本的にはむし歯のリスクは下がります天然の歯がむし歯になることは少なくなってくるのです。
成人の方でもむし歯で来院される方も多くいらっしゃいますが、ほとんどの方が二次カリエスです。
歯というのはいきなり抜歯ということはなく、この二次カリエスを繰り返す事により、いづれ歯が少なくなり治療ができなくなってしまうから抜歯が必要になるという事が多いです。
実は、治療を一度でもした歯、特に金属治療というのは天然歯に比べるとむし歯になりやすいという特性があります。
なぜそのようなことが起こるのか?
基本的にむし歯治療はむし歯菌の感染をなるべく残したくないがゆえに、健康な部分も含めて大きめに削る予防拡大という考え方が原則的にはありますので、削る治療だと穴が大きくなる傾向があります。
その後起こってくる現象として銀歯の寿命の問題です。
治療後、5年ぐらいすると銀歯と歯の間に細菌が入り込めるような微細な隙間があいてきて詰め物の下に感染を起こします。
この段階では痛くありませんが、その状態が長く続くと神経まで細菌が侵入し、痛みが出て神経を取らなければいけなくなる事があります。神経をとってしまうと血流が通っていないためドライフラワーのような状態になります。失活歯(神経をとった歯)は歯ぎしりや食いしばりなど力の負担がかかったときに割れてしまうことや根っこの先に細菌がたまり予後不良になり抜歯という経緯を辿るのです。
『二次カリエスをの原因と対策』についてお伝えいたします。また、小さなむし歯であればすぐに削らずに予防的なケアを行い経過観察するのも大事だと思います。そのための診断も重要なのです。
①銀歯の劣化
銀歯の寿命はだいたい4〜5年が耐用年数と言われています。歯ぎしりや噛みしめなど力の負担で銀歯と歯の間に隙間が空き銀歯下でむし歯をつくり気づいた時には神経近くまで及んでいる大きなむし歯を作ります。自身の力から歯を守るために夜間中マウスピースをはめる、日中歯が触れ合う習癖があれば意識的にやめるようにしましょう。
2枚目は銀歯を外した直後の状態をマイクロで撮ってみました。見ての通り汚染されています。
②口腔内の細菌
銀歯に隙間が空いてきたからといってすぐにむし歯になるという事はありません。食生活や細菌が多いと酸が作られ歯が溶けていきます。炭水化物=糖質が多いと細菌が増殖します。そのためには日頃の食生活の見直し、細菌をコントロールする必要があります。年に4回は必ずメンテナンスを行い日頃のホームケアで細菌感染を防ぐことが大切です。なかなかメンテナンスレベルのホームケアというのは難しいため当院ではポイックウォーターの使用を推奨しております。
③最小限の治療 歯質強化
むし歯ができた際一般的にはどこまで感染が及んでいるかわからないため健全組織も切削し失われる歯質の量が多くなる事がほとんどですがレーザーを使うと感染部分のみの切削になるため最小限の治療です。またレーザー光を当てる事により耐酸性が上がり細菌が入ってきた際には進行度が減少します。処置をする際にはレーザーを用いる事で再感染をなるべく防ぐ事が可能になるためレーザーの使用をおすすめします。
最後に、皆さんは銀歯にしたくない、なるべく削りたくないと思ってる方が多いと思います。そのためにはむし歯を作らないのが1番の対策です。
当院ではそれをなるべく実現できるよう、正確な診断、メインテナンス、POICケアなどでなどでお手伝いできればと考えております。