2023年07月02日(日)
歯周病について!
こんにちは!歯科衛生士の内田です。
蒸し暑い日が続きますが、
いかがお過ごしでしょうか。
今回のブログでは、歯周病、特に歯周ポケットについてお話ししたいと思います。
皆さんは歯周ポケットという言葉を聞いたことがありますか?
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の溝の深さのことです。
正常な深さは約2㎜といわれていますが、
歯周病が進行して、歯茎に炎症が起きたり
歯を支えている骨が溶けると、歯周ポケットが深くなる傾向があります。
そのため、歯周ポケット検査は、
歯周病の重症度を調べる検査として用いられます。
ただ、実際に3㎜以上の深い歯周ポケットがあっても、現在重度の歯周病があるとするのは、正しい認識ではありません。
なぜなら一度作られた歯周ポケットは、
治療により元の数値に戻らない(=病歴として残る)ことが多いからです。
歯周病とは、細菌感染による慢性的な炎症が原因で、歯の周りの組織が破壊されることです。
その深い歯周ポケットが、
歯周病が進行中で現在も細菌に感染しているものなのか、
それとも以前歯周病だったが、今はしっかり管理されており感染がない状態なのか、
これらをしっかり判断しなければなりません。
歯周ポケットが深い=歯周病原菌の感染があるとは言えないのです。
そのため、当院ではポケットの中の細菌が
悪玉菌か善玉菌かを判断するために、特に初診時には位相差顕微鏡による検査を必ず行なっています!
歯垢を採取して顕微鏡で観察することで、
スピロヘータという蛇のような形をした悪玉菌がいないかチェックします。
この悪玉菌がみられたら、歯周ポケットの中がしっかり管理されておらず、歯周病の進行リスクが高いと判断できます。
歯周ポケットの中に感染があると、今後歯の周りの骨が徐々に破壊され、より深い歯周ポケットが形成される可能性があります。
また、全身への影響も心配されます。
(糖尿病、脳卒中、心臓病、アルツハイマー、早産・低体重児など)
このように当院では、歯周ポケット測定の際、歯周ポケットの数値のみで歯周病かどうか判断することはありません。
・レントゲンによる骨の破壊程度の確認
・歯周ポケットからの出血のしやすさ
・口腔内写真による歯肉の赤みのチェック
・位相差顕微鏡による口腔内細菌の観察
・患者さんのホームケアやメンテナンスの状態
これらを総合的に見て判断します。
同じ深さの歯周ポケットでも、細菌がいなければ過去の歯周病の「病歴」です。
しっかりとしたホームケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを行えば、
歯周ポケット内を綺麗な状態に保ち続けることができるため、歯を失うリスクを低減させることが出来ます!
当院では、検査を通して一人一人に合ったメンテナンス内容やホームケアを提案しています。一度検査をしてみてはいかがでしょうか。
深い歯周ポケットがあっても、歯の寿命を短くしないよう、あきらめずにケアできます!
頑張りましょう!
※深い歯周ポケットがあると、清潔な状態を保ちにくく、
歯周病原菌が潜みやすくなってしまいます。
また、一回の治療で元の状態に戻すことは困難です。
深い歯周ポケットをつくらないためにも、
普段からのメンテナンス管理が大切です!